みのるのブログ

やさしい俳句レッスン / ゴスペル俳句

恩師からの手紙

Alt Text

立枯は磔像に似て夏の山  紫峡

机辺の整理をしながら2016年2月1日付でいただいた紫峡先生からの手紙を読み返しています。その二ヶ月後の4月9日に召天されましたから私にとってはまさに遺言のようなお手紙です。手紙は先生の第六句集『召命』とともに送って下さったもので

「伝統作家を育てるという使命も今年が最後になります。」

と記されていました。主宰を智壽子夫人に禅譲されるお覚悟だったと思いますが、私には「みのるさん、頼みますよ」というお言葉のようにも読み取れました。

伝統を継承することは簡単なようで難しく自己犠牲無くしては到底なし得ないことと思います。紫峡先生の弟子指導に対する熱意、姿勢はその最たるものでした。

表題に揚げた紫峡先生の句を鑑賞してみましょう。夏山に仰いだ立枯の大樹に十字架のイエスが重なって見えたのは先生の信仰による心眼でしょう。たとい一本の古木が朽ち果てたとしてもそこから撒かれた種が芽を出し若木となって成長すれば山は枯れることはありません。そんな思いがこの句に託されて居ると私は思います。伝統というこの山を枯らさないためにも先生の遺志を継ぐものとして奉仕し続けたいと願います。

最新記事

タグ一覧

あなたも俳句をはじめませんか

     お気軽にお訪ねください

    ゴスペル俳句のWEBサイトはこちらからどうぞ