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実感と具体的な表現
昔のひいらぎの公式ホームページに小路紫峡主宰へのインタビューという記事がありました。 その中に興味深い記事があったのでご紹介したいと思います。
実感の的
Q:実感で作ったと思う句でも後から振り返ると感動の表されていない説明の句になっていることがあります。最近時々自身のいわば「実感の的」の手ごたえを忘れそうになることもあります。そのような時どんなことを心がければよいでしょうか。
A:やはり基本は「発見や驚きなど、実感を具体的に、わかりやすく表現すること」です。そのためには、本当によく見ること、深く見ることが欠かせません。そうすれば感動は対象からあなたの中に飛び込んできます。
二、三十分はしっかり物を見ること、この基本姿勢を貫くうちに、自分の「的」は自ずと見えてきます。そうするとより「的」に当たるようになります。 以上は私自身の歩みを振り返ってもわかることです。 俳句を作る者は、進む度に壁に当たるものです。あせってはなりません。基本姿勢を崩さず実作を続け、一歩ずつ進んでいってください。
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俳句を作る姿勢
特別研修生として小路紫峡先生の特訓を受けていたころ高濱虚子先生のお話をよくお聞きした。なかでも虚子先生が次女の星野立子氏の主宰誌『玉藻』に掲載された記事のなかの一篇「心は生々躍動しておれ」に、とても感銘を受けたことをひいらぎ誌の巻頭言でも紹介しておられた。
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恩師からの手紙
立枯は磔像に似て夏の山 紫峡
机辺の整理をしながら2016年2月1日付でいただいた紫峡先生からの手紙を読み返しています。その二ヶ月後の4月9日に召天されましたから私にとってはまさに遺言のようなお手紙です。手紙は先生の第六句集『召命』とともに送って下さったもので
「伝統作家を育てるという使命も今年が最後になります。」
と記されていました。主宰を智壽子夫人に禅譲されるお覚悟だったと思いますが、私には「みのるさん、頼みますよ」というお言葉のようにも読み取れました。
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