実感と具体的な表現
昔のひいらぎの公式ホームページに小路紫峡主宰へのインタビューという記事がありました。 その中に興味深い記事があったのでご紹介したいと思います。
実感の的
Q:実感で作ったと思う句でも後から振り返ると感動の表されていない説明の句になっていることがあります。最近時々自身のいわば「実感の的」の手ごたえを忘れそうになることもあります。そのような時どんなことを心がければよいでしょうか。
A:やはり基本は「発見や驚きなど、実感を具体的に、わかりやすく表現すること」です。そのためには、本当によく見ること、深く見ることが欠かせません。そうすれば感動は対象からあなたの中に飛び込んできます。
二、三十分はしっかり物を見ること、この基本姿勢を貫くうちに、自分の「的」は自ずと見えてきます。そうするとより「的」に当たるようになります。 以上は私自身の歩みを振り返ってもわかることです。 俳句を作る者は、進む度に壁に当たるものです。あせってはなりません。基本姿勢を崩さず実作を続け、一歩ずつ進んでいってください。
具体的な表現
Q:俳句を作る上で先生はよく、「物を見て実感を具体的 に表現すること」と教えられます。以前も「具体的な表現」についてうかがったことがありますが、多作と同時に「具体的な表現」法を身につけるためにはどのような勉強が必要でしょうか。
A:先達に学ぶ事は大切です。高浜虚子・阿波野青畝先生の句集、ホトトギス四季選集を熟読することです。虚子先生が「写生」を唱えられたとするなら、青畝先生 は「実感」を唱えられました。また近年、具体的な表現を実践し、かつ指導できる人が少なくなってきています。本で学ぶだけでなく、やはり自分の実作に対して指導してもらうことが不可欠と言えましょう。
この俳話をお読みになってどんな風に感じられましたか? なんだか紫峡先生が私の受け売りをしておられるような錯覚をされたのではないでしょうか(^.^) そうではなくて、紛れもなく私が先生の弟子であったという証明です。