みのるのブログ

やさしい俳句レッスン / ゴスペル俳句

客観写生の意味を知る

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俳句入門書を読むと「頭で考えて一句をひねるのではなく見て感じたことを言葉で写生する」のだと書かれています。でも、俳句をはじめたばかりの初心者にとっていきなり「客観写生の訓練をしなさい」といわれても掴みどころがありませんよね。そのそも写生とはなにか…について絵画の訓練法の実際と比べながら復習してみましょう。

デッサン

デッサンはフランス語の「dessin」から日本語では「素描」と訳されます。鉛筆や木炭・コンテなどを使った単色の線描で、線や濃淡で表現します。対象物となるものの形や質感を捉えることに重点を置いて描いたもので、彩色する前の下絵のこともあり、物事のあらすじについても「デッサン」と言われます。

俳句における推敲や添削は絵画でいう色付けと同じで下絵が的確でなければ彩色しても生きてきません。心象や理窟を封印して素描に徹する。素描だけで特徴を捉える…ことが大事です。

スケッチ

スケッチは英語の「sketch」から日本語では「写生」と訳されます。風景や人物など対象物となるものを “短時間で大まかに写し取る” ことに重点が置かれます。スケッチは「小品(画)」とも呼ばれ短い文章で簡単にまとめることや、その作品なども「スケッチ」といわれます。その意味でも俳句はまさにスケッチです。「短時間で」という課題を克服するには多作しかありません。

あらかじめ目標を決めて置いてそれを自らに課す。限られた時間内で多作する訓練が上達の秘訣です。

クロッキー

クロッキーはフランス語の「croquis」から日本語では「速写」と訳されます。英語の「スケッチ」に相当しますが日本では主に人物の動きや質感を短時間に描いたものを指すそうです。スケッチに比べて時間が短く対象物の特徴を瞬間的に捉える目的で描かれたものを言うそうで「略画」とも呼ばれます。

クロッキーを俳句で例えれば「即物写生」ということになります。デッサンやスケッチの能力を更に進化させたもので俳句の学びの最終目標もここにあります。

感性を進化させるために

俳句の学びの過程で言うとデッサンは初級、スケッチは中級、クロッキーは上級といえます。初級をパスして中級を学ぶことは難しく初級、中級を克服し一歩づつステップアップして上級を目指すことが大事です。

早く上達する秘訣は浮気や寄り道をしないということです。陸上競技に例えれば短距離の100m走ではなくマラソンです。うさぎと亀の喩えを思い出してください。早く走ることではなく決して休まないことが大切なのです。

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