行の字よりも吟の字に
まだ会社努めをしていた頃、通勤電車の中での立読み用に講談社学術文庫の赤星水竹居(著)「虚子俳話録」を愛読していました。そこには選者としての虚子先生の本音が書かれてあってとても興味深いものでした。
初心者の句
初心の人の句は、うぶでまざり気がないからとれます。だんだん分かってくるにつけ、平凡になって倦怠の心が起こります。そこを突破すると、更に句境の新天地が眼前に展開してきます。そんなことを幾度も幾度も繰り返していくうちに、自然に上手になれます。
忍耐して継続することが大事ということでしょう。
行の字よりも吟の字に
吟行に行った時、あちこちと歩きたがる人たちを戒められて言われた言葉。
誰でも吟行をするとき、吟行の行の字に重きをおいて、一カ所に落ち着いて物を見ずにとかく歩きたがるものですが、追々と作句の力が進んでくるにつけ、落ち着いて物を見るようになって行の字よりも吟の字に重きをおくようになります。
納得!
よい文章や句がおのずからできる
文章を書くときでも句を作るときでも、始めから文章を書こう句を作ろうと思って景色や事柄を観ていると、とかく見様が無理になってよい文章も句も作れません。 無邪気に観ているうちに面白いと思ったところを見つけて、それを文章に書き句に作ると、おのずからすらすらとよい文章や句ができるものです。
表現や言葉の巧拙よりも着眼点を養うこと…が大事という意味です。
大成する人
入選しても入選外でも、いつも同じ顔してよく句会に出てくる人は将来必ず大成する人です。私はこんな真摯な態度の人を心から歓迎いたします。
思わず苦笑いですね(^_^)