俳句結社の選び方
ゴスペル俳句での学びを卒業された方から結社の選び方について問われることがありましたので私なりの考え方を纏めてみました。
指導者と自分の価値観とに乖離のないことが最重要
結社誌には必ず主宰選の当月集というのがあります。たいていの結社は無料で見本誌を提供しているので此処だと思うところを二、三選んで見本誌を請求してみましょう。そして主宰のコラム記事なども併せ熟読します。そうすることでその結社の指導方針や価値観というものが自ずと見えて来るからです。
価値観は指導理念によって異なるので絶対正解というものはありません。格調高く美しく詠むべし…という理念の指導者が多いですが私は万事がそうあらねばならない…とは思いません。他人行儀でことば遊びとしか思えないような作品を詠んで自己満足しているような世界に価値観を感じないからです。
選は創作なり
当月集を全体的な視点で眺めていると主宰の理念というものが反映されているのが感じられます。一句一句は作者の作品ですが選ばれて集団となったときに醸し出される雰囲気は選者が創りだすものだという意味です。ホトトギス虚子選やかつらぎ青畝選からは多くの著名な俳人が輩出されました。虚子先生や青畝先生がひとりびとりの個性を見抜いて幅広く選ばれたからです。
私は紫峡師の作風に似ているとよく言われました。紫峡師一筋に猛特訓を受けましたから当然のことなのですが、それは必ずしも喜ばしいことではないのです。指導者の作風に似るよりは誰にも真似のできない独自な作風に挑戦していく姿勢のほうが大事だからです。
当月集は主宰の指導力のバロメーター
狭量な感覚の選者は自身の作風に似たものしか採れないので当月集には似たり寄ったりの感じの句が並ぶことになります。結社選びの必須条件は主宰の作品に共感が得られることは勿論ですが当月集から感じられる選の幅の広さにも注目する必要があります。
みのる選はどうなの?
偉そうなことを書いていますがみのる選はどうなんでしょう。それはメンバーのみなさんが決めてくださることですが少なくとも上に書いたようなことを意識しつつ日々励んでいます。選を通して自身の幅も広げられるように切磋琢磨する姿勢を忘れてはならないと思います。